このページでは
トグルスイッチについて
6項目に分けて解説します。
トグルスイッチは
誰でも1度くらいは
操作したことがあると
思うくらい
よく使われている
電気制御機器です。
同形状のスイッチを
スナップスイッチということも
あります。
目次(クリックすると自動で飛びます)
1.トグルスイッチとは
2.トグルスイッチの仕組み
3.トグルスイッチの種類
4.三路スイッチ回路
5.メーカー
6.まとめ
1.トグルスイッチとは
上写真がトグルスイッチです。
トグルスイッチは
電気回路中で電気の
ON/OFF(導通/非導通)のために
使うスイッチです。
トグルスイッチは
押すスイッチではなく
下写真のようにレバーを
切り替えて動作させます。
取付は外から操作できるよう
BOXや操作パネルの前面や
制御盤の扉などにします。
(制御盤については以下のサイト内で
説明していますので参考ください。
→制御盤とは)
パネルカットをして
操作部だけが前面に出るよう
取付けます。
トグルスイッチは
レバーで切り替えた状態を
保持するタイプと
レバーを離すとバネで
元の位置に戻るタイプがあります。
スイッチでは
押した(切り替えた)状態を
保持するタイプを
オルタネイト
押して(切り替えて)離すと
元に戻るタイプを
モメンタリといいます。
(押ボタンのオルタネイトと
モメンタリについては
以下のサイトを参考ください。
→シーケンス制御でよく使う電気制御機器について)
トグルスイッチの用途は
様々ありますが、
例えば、自動制御する機械で
自動動作と手動動作を
切り替える用途で
使われています。
大電流用なら
モーターやランプのスイッチとしても
使われます。
(三相モーターについては
以下のサイトを参考ください。
→三相モーターとは?)
トグルスイッチは小型で
スペースをとりませんので
狭いスペースに数個
スイッチを並べたい時にも
使います。
2.トグルスイッチの仕組み
下図が
トグルスイッチの構造の概略図です
このタイプはレバーが
左、中央、右に移動します。
〇で囲んだ接点がありますが
この図では離れていますが
接触することで
①と②、もしくは②と③間が
導通(ON)します。
可動接点はレバーを
左右に動かすことで
シーソーのように動き
固定された接点と接触します。
このタイプはレバーが
中央ならOFFとなりますので
①②がON,OFF,②③がONの
3つの状態をとります。
レバーが左右しか
移動しないタイプもあります。
その場合、ONかOFF
もしくは2つ接点あり
1つはON,他方はOFFと
なります。
この図はレバーを操作しない
状態は開路(非導通)ので
a接点(NO)です。
接点やa接点、そして
後述するb接点、c接点
については以下のサイトを
参考にしてください。
3.トグルスイッチの種類
トグルスイッチは様々な
種類が販売されています。
小型、防水、大電流用、
微小電流用、照光式など
メーカーのカタログを見ると
様々あります。
この項では、こういった
用途別の種類ではなく
どのトグルスイッチも共通する
接点や極、投といった
種別について紹介します。
これを知ればメーカーの
カタログも見やすくなると
思います。
動作方式
前述しましたが
ボタン、スイッチには
モメンタリ型とオルタネイト型が
あります。
モメンタリ型は
押している/切替いる間だけ
接点は動作し、離すと
元に戻るタイプです。
オルタネイト型は
押している/切替ると
接点は動作し、離しても
動作状態を保持するタイプです。
トグルスイッチも
この2つの型があります。
上写真の左はオルタネイト型
右はモメンタリ型です。
白〇のように
モメンタリ型は
ON(M)でモメンタリの
Mが印字されています。
単投と双投
上写真が単投のトグルスイッチです。
白で書いたスイッチ記号のように
単投はレバーを切りかえで
ON(導通),OFF(非導通)する
ことです。
a接点ですね。
上写真が双投のトグルスイッチです。
白で書いたスイッチ記号のように
双投はc接点です。
共通端子があり
レバーを切りかえで
ON(導通)とOFF(非導通)の
スイッチに切り替わります。
双投はc接点なので
3端子になります。
極数
極数は接点の数量です。
下図のように
単極、2極、3極、4極と
あります。
下写真は
左から単極、2極、3極の
トグルスイッチです。
カタログ機能動作の見方
この項で解説してきた分類が
ありますがカタログではどう
書かれているか見ていきます。
上表はメーカーの1つである
NKKスイッチズのカタログの
1部を抜粋したものです。
紫四角の回路は
極数と単投か双投かを
書いています。
例えば
2極単投は1-3、4-6で
a接点2つの端子番号が、
2極双投は2-3,1-2(1-2-3),
5-6,4-5(4-5-6)で
c接点が2つの端子番号が
書かれています。
緑四角はレバーの位置が
書かれています。
左、中央、右とありますが
青四角のように「―」が
ある型は中央の位置が
ないという意味です。
レバーは左と右の位置だけです。
中央が「OFF」は
どの接点もOFFだと
いうことです。
赤四角、黄四角は
モメンタリであることを
示します。
<>があればモメンタリの
接点です。
他社のカタログでも
モメンタリは<>で書かれている
のを見ます。
こうしてカタログを見て
自分が欲しい仕様に型を
選定します。
4.三路スイッチ回路
トグルスイッチを使った
電気回路例として
三路スイッチの回路を紹介します。
三路スイッチは
階段の照明のスイッチで
よく使われます。
1階と2階に照明の
スイッチがあるとして
考えていくとします。
上図では単極双投の
トグルスイッチが2つ
電気回路にあり
ランプを点灯させています。
1階でランプを消灯させたと
します。
上の回路図のように
1階のトグルスイッチの回路中で
開路になるのでランプは消灯します。
ここで、次にランプを2階で
点灯させたいとします。
上の回路図のように
2階のトグルスイッチを
切り替えることで
回路ができランプは点灯します。
このように、1階、2階で
点灯と消灯をさせることが
できます。
これが三路スイッチでなく
単にON/OFFするだけの
単極単投だと
1階でランプを消灯させた場合
2階でランプを点灯させたくても
できず、1階まで行って
1階のスイッチを元に
戻す必要がでてきます。
照明の場合は
下写真のような
三路スイッチが使われています。
例えば、機械で
遠く離れた2つの操作パネルから
同じ負荷を入切したい時は
トグルスイッチで
3路回路を作るといった
使い方もできます。
応用次第で
色々な使い方ができますね。
5.メーカー
トグルスイッチのメーカーは
多くあります。
私の会社で使う、よく見る
メーカーはNKKスイッチズか
Panasonicでしょうか。
特に性能に差は感じませんね。
6.まとめ
トグルスイッチの代わりに
普通の押ボタンもありますが
押すよりレバーを切り替えた方が
操作したかどうか分かりやすい、
レバーの位置で現状態が
分かりやすいなどの利点があります。
結構使われている部品です。
電気制御に関わるなら
どういったものがあるのか
知っておくことは重要です。
このページが何かしらの
参考になったなら
良かったです。