このページでは、
電気抵抗部品の1つである
可変抵抗器について、
概要等を解説しております。
当方では、可変抵抗器は
汎用インバータの
周波数変更のために
使うことが圧倒的に多いです。
ですので、それに寄った内容に
なることをご了承ください。
インバータについては
以下のページを参考ください。
可変抵抗器はオーディオの
ボリューム調整にも使われて
います。
1.可変抵抗器とは
上写真は
電気回路のプリント基板
などにつける電気抵抗です。
(リード線形抵抗器)
この抵抗は抵抗値が
固定されており、
色々な抵抗値の製品が
販売されています。
電気回路の中では
抵抗値をその都度変えたい
用途もあります。
そこで抵抗値を操作1つで
可変できる可変抵抗器が
使われるのです。
回路のアイデア次第で
使う目的は多様にできますが
外部から入力するアナログ量を
電気信号に変換する目的で
使われることが多いです。
汎用インバータでも
その目的で使っています。
2.仕組み、構造
インバータで使う
ボリュームの可変抵抗器は
下写真のように3端子あります。
端子には1、2、3と番号が
印字されています。
可変抵抗器の内部は
下のイラストのように
なっています。
中に円状の抵抗体があります。
摺動子はボリュームのつまみを
回すことで円状の抵抗体を
接触しながら回ります。
抵抗体は、最も距離が長い
端から端までの
つまり1から3までの
抵抗値が最も高くなります。
摺動子と2番端子はつながっています。
この抵抗体の全抵抗値は
1-2番間の抵抗値と2-3番間の
抵抗値の和となります。
1-2もしくは、2-3の距離が
短くなれば抵抗値は下がり、
長くなれば上がります。
このことで
ボリュームを時計回りに回すことで
1―2間の抵抗は下がり、逆に
2―3間の抵抗は上がります。
ボリュームを反時計回りに回すことで
1―2間の抵抗は上がり、逆に
2―3間の抵抗は下がります。
このような原理で、
ボリューム(摺動子)の変化量に
応じて1-2間、2-3間の
抵抗値を可変します。
3.可変抵抗器の使い方
可変抵抗器を以下の記号で
表してみました。
この記号は可変抵抗器の
正しい記号ではありません、
説明しやすいので
こうしました。
1―3間の合計抵抗値が変化
しませんが、1-2間、2-3間の
抵抗値は可変できます。
可変抵抗器はアナログ量を
電気信号に変えると前述しました。
下の回路で考えていきます。
可変抵抗器に
5Vの電源電圧を印可しています。
1-3間の電圧値は常に5Vです。
1-2間と2-3間の抵抗値は
変化するので、電圧値も
変化します。
この電圧値を電気信号として
扱います。
ボリュームを回すといった
アナログ量を電気信号に
変換していますね。
汎用インバータにおける
外部からの周波数変更は
この原理で行っています。
ボリュームを回すことで
2-3間の電圧値を変化させ
その電圧をインバータに入力し
値に応じて周波数を変えています。
この例は電圧調整ですが
電流調整もできますよね。
用途によっては
電流値に変換することも
あります。
4.種類
可変抵抗器は色々な形状等
色々なものがありますが
操作方法で2種に大別されます。
1つは、ここまで説明に
使ってきたボリュームを
回して抵抗値を可変する
ロータボリューム。
もう1つは
スライドさせて抵抗値を
可変するスライドボリューム。
スライドボリュームは
下写真のようなものです。
個人的には使ったことが
ありませんね。
5.故障
可変抵抗器も使っていくと
故障します。
ボリュームのつまみが
緩くなり「がくがく」すると
いった見た感じで分かる
故障もありますが、
使っている人しか分からない
故障というか摩耗もあります。
それは、ボリュームを回すと
抵抗値は変化するのですが
変化量が微量に違うと
いう内容です。
中の抵抗体が摩耗して
新品時とは違うわけです。
故障調査でもはっきりと変化が
分からないことが多いです。
普段使っている人の
感覚で分かることですね。
6.メーカー
可変抵抗器のメーカーですが
アルプスアルパインや日本抵抗器など
あります。
当方は可変抵抗器は
インバータで使うときに
購入することがほとんどです。
インバータで使うボリュームの
可変抵抗器は
東京コスモス電機の製品を
使うことが多いです。
インターネット通販の
monotaroやマルツインラインなど
でも購入できます。
7.記号の見方
上写真にようにB302と
記号が印字してありますが、
それは仕様を書いてあります。
抵抗変化特性
B302のBは
抵抗変化特性を書いています。
A,B,Cとあります。
下図がグラフになります。
A特性の製品は音量調整用に、
B特性の製品は一般の電圧調整等に
C特性の製品はゲイン調整等に
使われます。
インバータの周波数可変用には
B特性の製品を使っています。
公称抵抗値記号
B302の302は
公称抵抗値記号を
書いています。
302は3kΩです。
以下のサイトの対応表が
載っていますのでご参考ください。
8.ポテンショメータとは
可変抵抗器と同じような
機能のものはポテンショメータと
呼ばれることはあります。
ポテンショメータは
回転角や移動量を電圧変換する
電子機器のことになっていましたが、
その機器(電圧変換)に
可変抵抗器が用いられるので
英語圏では可変抵抗器の
総称をポテンショメータと
まとめて呼んでいます。
当方ではこのページで書いた
インバータにも関連する
初心者向のシーケンス制御の教材も
扱っていますので
興味があれば
以下の画像をクリックして
ご確認ください。
●リレーシーケンス教材に
ついては以下の画像をクリック
●シーケンサ教材に
ついては以下の画像をクリック