電気を使っていると、
電圧や電流を測定し、
電圧計や電流計で確認する
必要があることはあります。
設備の状態は使えば
変わっていくものです。
何十年も同じ電圧/電流とは
限りません。
今、何V なのか、何Aの電流が流れているのかを
確認、管理しないと異常がわかりません。
測定する電圧・電流が高い場合、
それを測定するための計器や部品、
設置スペース、電線など様々な物が
大掛かりになります。
このページでは、高電圧・高電流を
測定したい時でも、扱いやすい
電圧・電流に変換する計器である
計器用変成器について説明します。
1.計器用変成器
高電圧や高電流を変換して
測定しやすい電圧や電流にかえる
機器を計器用変成器といいます。
電圧を変換するものを
計器用変圧器、
電流を変換するものを
計器用変流器といいます
計器用変成器は、その総称と
なります
それぞれについて説明していきます
2.計器用変圧器
計器用変圧器はVTとも呼ばれます。
VTとはVoltage Transformerの略です
昔はPTと呼ばれてました。
(PTとはPotential Transformerの略)
計器用変圧器のことをVTと
呼ぶことは多いです。
計器用変圧器の役目
計器用変圧器の役目は
電圧を扱いやすい電圧へと
変圧し、電圧計などの計器で
測定しやすくすることです。
計器用変圧器では
110Vに変圧することが
定めれています。
110Vは、制御回路にも使われるレベルの
電圧値ですので、物理的・経済的にも
やり易いといえます。
6600Vを110Vに変圧する場合、
そのまま測定するより
やり易くなることは
想像できると思います。
計器用変圧器の原理
計器用変圧器の原理は
変圧器(トランス)と同じです。
上絵のように鉄心にコイルを巻き
1次側と2次側のコイル巻比で
変圧比が決まります。
1次巻線の巻数N1,2次巻線の巻数N2
1次電圧V1、2次電圧V2だと
N2/N1=V2/V1 となります。
前述しましたが、2次側電圧の定格は
110Vで定められていますので
1次側で測定したい電圧値内の
機種を選定することになります。
440V/110V品とか、6600V/110V品
などあります。
1次電圧が定格電圧(例えば440V)だと
2次電圧は定格の110Vが
出力されるようになっています。
計器用変圧器のヒューズ
写真が計器用変圧器です
赤で矢印した部分はヒューズです。
ほとんどの計器用変圧器には
標準で1次側にヒューズが
付けられています。
このヒューズは主回路の方を
保護するために付けられています。
計器用変圧器側が絶縁破壊や
短絡、異常電流など異常が
発生した際ヒューズを溶断させる
ことで、
主回路と計器用変圧器を切り離し
異常が主回路へ波及することを
防げます。
主回路については以下のページを
参考ください。
電気図記号
電気図記号は以下になります。
H3
:開放の注意
注意:2次側の短絡について
計器用変圧器の2次側は
決して短絡させてはいけません。
短絡させると、計器用変圧器に
短絡電流が流れ、焼損させ
絶縁破壊をおこします。
作業の理想は電源を切る、遮断して
行うことです。
3.計器用変流器
計器用変流器はCTとも呼ばれます。
Current Transformerの略です
電流計で測定する際、
扱いやすい電流へ変換する
機器です。
計器用変流器について
前項の計器用変成器のような
説明を別ページでしていますので
そちらを参考ください。
4.最後に
計器用変成器である
計器用変圧器と計器用変流器は
高圧受電設備だけではなく
低圧の制御回路にも
用いられます。
下写真はインバータ盤内の
計器用変圧器と計器用変流器です。
(インバータについては
以下のページを参考ください。
→インバータとは?概要の79%まで分かるよう15項目で解説)
機械の制御盤に関わるエンジニアの方でも
盤内で設置されていることはありますので
関係ないと思わず、知っておきましょう。