このページでは
電磁気学分野の透磁率に
ついて書いています。
1.透磁率とは
透磁率とは磁束の
通しにくさのことです。
(磁束については
以下をクリックして参考ください。
→磁束とは)
磁場に物質(磁性体)を
置くと磁性体は磁気を
帯びて磁石のように
なります。
電磁石を例に考えると
→ソレノイド(コイル)に電気を
通電すると周囲に磁気が
発生します。
(この現象については
以下をクリックして参考ください。
→磁束とは)
そして、
コイルに巻いた鉄心(磁性体)が
磁気を帯びて磁石になります。
この時、何が起こっているかと
いうと物質に磁束が
通っていると考えます。
透磁率が高く磁束を通しにくい
物質は、物質の中に磁束を
貯めれ、磁束密度が大きくなり
強い磁力を持ちます。
(磁束密度については
以下をクリックして参考ください。
→磁束密度とは)
透磁率μ[H/m]の一例
鉄:6.3×10−3
ケイ素鋼:5.0×10−3
アルミニウム:1.25×10−6
木材:1.25×10−6
この値を見ると感覚的に
透磁率が理解できるかと
思います。
鉄は何となく磁力を持ちそうで
木材は持ちそうにないですよね。
2.比透磁率
透磁率と同様に使われる値として
比透磁率があります。
比透磁率は真空の透磁率μ0
1.25×10−6の比であらわす値で
μs=(μ/μ0) で表します。
木材の透磁率は1.25×10−6
でした。
ですので、比透磁率は
(1.25×10−6)/(1.25×10−6)=1
となります。
このように比透磁率は
1に近い方が磁化されにくい
ことを知ることができます。
3.磁化曲線
透磁率を使う式として
B=μHがあります。
Bは磁束密度、Hは磁界です。
この式から
磁界を強くしていくと
磁束密度は上昇することが
分かり
その上昇率は透磁率で
決まることが分かります。
以下がB-H曲線(磁化曲線)の
一例です。
透磁率μは傾きになります。
矢印のポイントを見ると
傾きがゆるやかになっています。
つまり透磁率が下がってきたと
いうことです。
透磁率は一定の値ではなく
磁界の強さや温度などの要因で
変動はします。
この磁束密度が
上昇しなくなる状態を
磁気飽和といいます。
磁気飽和については
以下のページで書いていますので
ご参考ください。
このページで説明した
透磁率や磁束密度などは
モーターにも関わります。
このサイトでは、
初心者のためのモーターの基礎講座も
ありますのでご参考ください。
また
当方では、三相誘導電動機が
関わる機械設備の故障対処法に
関する教材も扱っております。
興味があれば、以下のボタンをクリックして
内容を確認してください。