このページでシリンダーの
ピストンロッドの位置検出に
使われるセンサーである
オートスイッチについて
解説します。
オートスイッチは
リードスイッチとも呼ばれる
有接点式スイッチと
無接点式スイッチが
ありますが、
それについても
分けて解説します。
目次(クリックすると自動で飛びます)
1.オートスイッチとは
2.有接点式スイッチとリードスイッチ
3.無接点式スイッチとは
4.有接点式と無接点式オートスイッチの使い分け
5.まとめ
1.オートスイッチとは
オートスイッチとは
シリンダーのピストンロッドの
位置検出の用途で使われるセンサーです。
名称について
同じようなセンサーでも
オートスイッチ以外に
色々な呼び方をされます。
シリンダセンサー、
シリンダスイッチ、
センサスイッチ、
リードスイッチ
とも呼ばれることが
あります。
メーカーによって
名称が違うだけで
同じ役目をすると
考えていいいです。
*リードスイッチは
有接点式のみで呼ばれます。
シリンダーとは
オートスイッチは
シリンダーに取り付けるセンサー
ですので、まずはシリンダーに
ついて簡単に説明します。
下写真がシリンダーです。
下図はシリンダー内部の
概略図です。
電磁弁から配管接続口へ
流体が入出することで
上図のように
ピストンロッドが前進・後進させ
その動力を使って
機械を動作させます。
電磁弁については
以下のページで解説していますので
ご参考ください。
磁石(磁力)を検出
下図のように
シリンダーには磁石が
内蔵されています。
シリンダーの筐体に取付をした
オートスイッチは、磁石の磁力を
検出します。
シリンダーから離すと
磁力が弱まるので検出はしません。
なので、一般的に
シリンダーに巻き付けて取付けます。
オートスイッチの位置決めは
下図のように
ピストンロッドが前進端や後進端の
位置に移動したときに
検出するよう取り付けます。
外から磁石は見えませんが、
オートスイッチは検出時
ランプが点灯します。
前進端、後進端で
ランプが点灯する位置を
探して取り付けています。
オートスイッチを使う目的
オートスイッチをシリンダーに
取付ける目的は、機械/設備を
自動制御することです。
電気制御で自動で動作する
機械は勝手に動いているわけでは
ありません。
シーケンス制御で動いていることが
多いです。
(シーケンス制御については
以下をクリックして参考ください。
→シーケンス制御とは
→シーケンス制御講座)
例えば、
シリンダーが前進端まで
動作したら
ドアが開いてブザーが鳴る
というシーケンスの場合、
シリンダーが前進端まで
動作せずにドアが開くと
機械は正常動作していないので
トラブルが起こるかもしれません。
オートスイッチで前進端まで
移動したことを検出すれば
確実に機械を正常動作
させることができます。
オートスイッチから検出した
電気信号をリレーシーケンス回路に
組み込んだり、PLCに入力した後で
ドアを開く信号を出す動作を
回路に組んだり、
PLCから出力すればいいのです。
(リレーシーケンスについては
以下をクリックして参考ください。
→リレーシーケンスとは)
(PLCについては
以下をクリックして参考ください。
→PLCとは)
電磁弁のソレノイドに
信号を入力したことだけで
すませている機械も
見ることはあります。
(ソレノイドについては
以下をクリックして参考ください。
→ソレノイドとは)
電磁弁が動作すれば
シリンダーもある一定の時間
待てばピストンロッドは
前進端まで動作することを
前提にしてのことです。
しかし、電磁弁が故障する
こともありますし
ピストンロッドの動きが
悪くなることもあります。
オートスイッチを使うことで
より確実な制御が実現できます。
有接点スイッチと無接点スイッチ
オートスイッチは
有接点式スイッチと無接点式スイッチが
あります。
この2つのスイッチの大きな違いは
有接点式は
機械的な接点でON/OFFする
スイッチで
無接点式は
半導体を使った電子スイッチで
ON/OFFする
この違いです。
次項から
有接点式と無接点式について
解説します。
(接点については
以下をクリックして参考ください。
→シーケンス回路設計の基本とは)
2.有接点式スイッチとリードスイッチ
オートスイッチの有接点式は
リードスイッチと呼ばれることも
あります。
この項では、
有接点式スイッチの仕組みや
リードスイッチとの違いなどを
解説します。
リードスイッチとは
下写真がリードスイッチです。
右写真は
2本の金属棒(強磁性体)が
接触していますが、
接触部が接点ですね。
接点の長寿命化のため
ガラス管の中には
窒素ガスが封入されて
活性化を防いでいます。
磁力に反応して
接触します。
そして下写真がシリンダーで
使うリードスイッチとも
呼ばれる有接点式スイッチの
一例です。
外見的には似ていません。
シリンダーで使う
オートスイッチはこの樹脂の
中にリードスイッチが
内蔵されていると考えてください。
動作の原理や仕組みは
ガラス管のリードスイッチと
同じです。
樹脂の中に
リードスイッチが入っていますが
それだけではなく
ランプやダイオードも
内蔵されて回路を
作っています。
有接点式スイッチの内部回路
下図が有接点式スイッチの
内部回路図の一例です。
リードスイッチの他に
LEDやダイオードも内蔵され
回路を作っています。
下が内部写真です。
写りのいい写真ではないですが
右がリードスイッチの金属棒で
左がLEDとダイオードです。
(ぼけていてすいません)
有接点式スイッチの使い方
有接点式スイッチの
配線接続例は下図です。
有接点式スイッチからは
青色と茶色の接続線が出ています。
2本の電線で
2線式と呼ばれます。
負荷の例としては
シーケンス制御で
動作させるとして
電磁リレーのコイルや
シーケンサ(PLC)に接続します。
この配線接続図は直流電源ですが
有接点式は交流電源でも使えます。
電線の色を茶色と青色に
しましたが、一般に
茶色は+極、青色は-極
となっています。
*交流電源が使えるか製品か
電線の極性は、
カタログで確認はした方が無難です。
(電磁リレーについては
以下をクリックして参考ください。
→電磁リレーとは)
(シーケンサについては
以下をクリックして参考ください。
→シーケンサとは
→シーケンサ講座)
3.無接点式スイッチとは
この項では電子スイッチで
ON/OFFするオートスイッチである
無接点式スイッチについて
解説します。
無接点式スイッチの内部回路と仕組み
下図が無接点式スイッチの
内部回路図の一例です。
無接点式は
リードスイッチではなく
トランジスタ(半導体)が
スイッチとなりON/OFFします。
ただ、半導体は磁力で
ON/OFFしないので
電圧を印可しないと
いけません。
仕組み/原理としては
スイッチ主回路部に
磁気抵抗素子と増幅器が
入っています。
磁気抵抗素子は磁力で
電圧を発生します。
その電圧を増幅器で
増幅してトランジスタに
印可してON/OFFさせます。
有接点式同様
LEDやダイオードも
内蔵されており
電子回路を形成しています。
無接点式スイッチの使い方
無接点式スイッチの
配線接続例は下図です。
3本の電線の3線式と
2本の電線の2線式の
配線接続例になっています。
負荷には有接点式同様に
シーケンサ(PLC)を
接続することが多いです。
無接点式スイッチでは
負荷は電源が直流となります。
(トランジスタは直流電源で
使います)
電線の色を茶色と青色と
黒色にしましたが、
一般に
茶色は+極、青色は-極、
黒色は信号(負荷)
となっています。
(無難のためその商品の
マニュアルは確認ください)
4.有接点式と無接点式オートスイッチの使い分け
有接点式と無接点式の
違いについては前項までで
解説しましたが、
この2つをどう使い分けるか
について書いておきます。
これはお互いのメリット、デメリット
を知り、状況に応じて使い分ける
ことになります。
有接点式は機械接点ですので
接触によりチャタリング・ノイズが
発生することはあります。
そして、接触による摩耗による
寿命もあります。
無接点式は電子スイッチですので
ノイズも少なく、摩耗による
寿命も有接点式より長いです。
実際、私の会社では
対策を打ったことがあります。
1分間で数十回前進・後進をする
空気圧シリンダーに付けた
有接点式のオートスイッチの
故障が頻繁に起こる問題がありました。
無接点式に交換することで
故障頻度は下がりました。
無接点式は一般に
有接点式より高いですが
この事例のように
頻繁に作動するシリンダーに
ついては、故障による
交換コストを考えると
無接点式の方が
良いでしょうね。
5.まとめ
シリンダーの動力を使う
機械/設備は多くあります。
そのため
シリンダーの動作検出に
使うオートスイッチも
多く使われるので
その仕組みや目的を
知っておくことは
重要です
ですが、オートスイッチ単体で
わかっていてもダメです
オートスイッチはあくまで
電気制御のための1つの部品です
電気制御そのものが
理解できてないい
設計や故障修理では
意味をもちません
文中でシーケンス講座等の
リンクもありましたが
当方では 教材販売も
しいますので ご参考くださうい。