このページではシーケンス制御に
関わる資格について説明します。
シーケンス制御は、
制御盤の設計・修理、
機械設備の保全・修理などで
欠かせない技術です。
(制御盤については
以下のページを参考ください。
→制御盤とは)
(制御盤の修理については
以下のページを参考ください。
→制御盤の故障修理方法)
シーケンス制御には
いくつか資格がありますので
紹介します。
詳細を知りたい場合は
試験を実施する協会を
調べことが良いです。
ただ、詳しいだけに多くの情報が
書かれており、
初めてシーケンス制御の資格について
知りたい方は 何をみればいいかと
戸惑うかもしれません。
このぺーじでは、まずは
どういったものなのか
試験内容は何かなど
概要的なことを書いております。
ぜひ、ご参考ください。
目次(クリックすると自動で飛びます)
1.業務独占資格と技能検定
2.シーケンス制御の資格
3.電気機器組立て シーケンス制御作業
4.機械保全 電気系保全作業
5.最後に
1.業務独占資格と技能検定
国家資格は規制の種類によって
4つに分類されます。
まずはシーケンス制御の国家資格が
どの種類にあたるのかを
説明しておきます。
電気関係でよく聞く資格には
電気工事士や電気主任技術者(電験)の
資格があります。
これは業務独占資格にあたります。
一般的な電気工事の仕事や
工場・発電所などの電気設備の
保安監督業務は、この資格を
持っている人しかできません。
医者や弁護士も資格を持って
いないとできないですよね。
シーケンス制御の資格は
業務独占資格ではなく、
技能検定に分類されます。
技能検定とは
技能検定とは、労働者がどの程度の
技量があるのかを検定(試験)し
証明する日本の国家検定制度です。
簡単に例えると、
労働者個人の技量なんて
一目しただけでは
分からないですよね?
基準となる試験をつくって
その試験に合格していれば
その基準は満たす技量を持つ
人材と判断できます。
証明書を持っていれば
転職時の履歴書に書いたり
勤務する会社に報告すれば
あなたの実力を評価して
もらえるわけですね。
仕事できないわけではないですが・・・
業務独占資格ではないので
PASS(合格)していないと
その仕事ができないわけではないです。
私は持っていませんが
制御盤を作ったり・修理したりと
シーケンス制御が関わる仕事は
しています。
仕事はできますが、
関連する知識と技術の習得のためと
内外への実力を証明のため
取得しておいて損はないですね。
2.シーケンス制御の資格
シーケンス制御が関わる
技能検定は2つあります。
電気機器組立て シーケンス制御作業
機械保全 電気系保全作業
の2つです。
各検定については後述しますが
共通していることは
①
3級、2級、1級、特級がある
②
学科試験と実技試験がある
③
2級以上は受験資格が必要で
それは実務経験年数になります。
試験に合格さえすればいいのではなく
相応の実務経験が必要であり
実技の試験もあり
実力を証明する意図として
良いですね。
3.電気機器組立て シーケンス制御作業
電気機器組立て シーケンス制御作業に
ついて説明します。
試験科目
試験科目は学科と実技があります。
学科
学科の試験内容については
シーケンス制御に関わることだけ
ではありません。
電気全般に関わることや
ソレノイドコイル、工具、
材料についても出題されています。
実務経験はあっても
日常の仕事で使わない事項に
ついても出題がある可能性は
あります。
過去問を解くなどして
対策をする必要があります。
実技
上写真は、
実技で使う検定盤です。
プログラムを組んで
あの検定盤の機器を課題どおりに
動作させる必要があります。
検定盤は試験場で準備されていますが
PLC(シーケンサ)やプログラミングソフトや
PC、電線等は自分で準備する必要があります。
検定盤とPLCとの接続、
PLCとのPCの通信接続等も
会場で自分で行います。
問題を解く前のここで
手間取りたくはないですよね。
試験時間には制限があります。
実技についても、
PLCとの接続作業、PCとPLCの
通信接続などにも慣れておき
さらに過去問を解いておくなど
事前に対策が必要でしょうね。
ここまで説明した実技は
製作等作業試験といいます。
2級からの実技試験はそれに
計画立案等作業試験が加わります。
計画立案等作業試験は
ラダー図を見てタイムチャートを書いたり
FBDプログラムや
PLCを使うシステム構成を考えたりと
色々あります。
これも事前に過去問を解くなりで
対策を立てておく必要はありそうです。
等級区分と受験資格
3級・・・資格はなし
2級・・・実務経験2年以上
1級・・・実務経験7年以上
特級・・・1級合格後5年以上
職業訓練歴、学歴等により
短縮など変更される場合があります。
詳しくは最寄りの
都道府県職業能力開発協会へ
お問い合わせください。
以下のページもご参考ください
実施日
試験は年1回です。
技能検定自体の日程は
前期と後期があり、令和4年は
後期に試験がありました。
現時点で令和5年の日程は
発表されていないようです。
参考までに令和4年の日程表を
のせておきます。
受験手数料
標準で
実技試験18,200円、学科試験3,100円です
標準とは
各都道府県で違う可能性が
あるということです。
試験の実施については各都道府県で
行われます。
受検申請書の受付、試験実施等を
担っている各都道府県の
都道府県職業能力開発協会に確認することが
確実です。
最後に
大枠を書きましたが詳細は
中央職業能力開発機構(JABADA)の
HPの載っています。
中央職業能力開発機構は
国(厚生労働省)が定めた実施計画に
基づいて、試験問題等の作成を
行っています。
過去問についてもHPに
アップしてくれています。
受験資格の短縮等に
ついても記載しています。
電気機器組立て シーケンス制御作業の
試験にあたっては
必ず確認する必要があるHPです
「電気機器組立て シーケンス制御作業 対策本」
とかで検索すると下写真のような
試験対策の参考書も探すことができますので
まとめられた本で学びたい方には
良いと思います。
4.機械保全 電気系保全作業
機械保全 電気系保全作業に
ついて説明します。
試験科目
試験科目は学科と実技があります。
学科
内容はシーケンス制御に
関わることだけではありません。
電気系機械保全に関する勉強の中の
1つとしてシーケンス制御が含まれると
いうイメージですね。
シーケンス制御の他にも
電気一般、材料、電動機、
変圧器、半導体、
サーマルリレーや
ソリッドステートリレーなどの
電気制御機器に関することも
含まれます。
電気保全の実務経験はあっても
日常の仕事で使わない事項に
ついても出題がある可能性は
あります。
過去問を解くなどして
対策をする必要があります。
実技
上写真は、
実技試験用対策盤で、試験会場で
使う同等品です。
この試験盤や電磁リレーなどの
電気制御機器は試験会場で準備されて
いますが、
配線作業や回路の故障調査に使う
テスターやニッパなどの工具は
受験者が準備します。
1級、2級ではPLCを使った
問題があるので
PLC本体や専用ソフトやPCなども
準備する必要があります。
3級は、有接点シーケンス制御
(リレーシーケンス)に関する
問題で、
1級、2級はPLCを使って
問題どおり動作するプログラムを
作成する問題もでます
電気系保全の資格だけあって
有接点シーケンス制御の問題には
回路の中の故障を発見し修理する
出題があります。
等級区分と受験資格
3級・・・資格はなし
2級・・・実務経験2年以上
1級・・・実務経験7年以上
特級・・・1級合格後5年以上
受検に必要な実務経験年数は、
学歴や職業訓練受講歴などに
応じて短縮されます。
試験の免除を受けることも
できます。
このことについては後述します。
実施日
試験は3級が年2回、
2級~特級は年1回実施されます。
令和4年は2回に分けて
行われ、第1回は
3級だけの試験でした。
参考までに令和4年第2回の
日程表を載せておきます。
受験手数料
学科試験・実技試験両方の受検
20,000円
学科試験のみ受検 4,600円
実技試験のみ受検 15400円
最後に
大枠を書きましたが、
詳細は機械保全技能検定の
HPに載っていますので
受験の際はご確認ください。
このHPには過去問も掲載されているので
受験をされる方は重宝すると思います。
受験資格の実務経験等の免除に
ついても説明しています。
問題を見ましたが、
この仕事をしても普段使わない
事項もあるので、事前勉強は
必要だと考えます。
「電気系機械保全 対策本」
とかで検索すると下写真のような
試験対策の参考書も探すことができますので
まとめられた本で学びたい方には
良いと思います。
実技対策は検定に使う盤で
事前に練習をしたおいた方が
いいですが、個人で購入するには
少々高価かもしれません。
試験にしか使わず安価を求める場合は
ヤフオクとかで中古を出品されている
ことがありますので、探してみれば
良いでしょう。
5.最後に
技能検定は業務独占資格では
ありません。
しかし、自分の今の実力・
ポテンシャル(可能性・自己啓発できる人材である)
を内外へ証明するため、
資格試験にチャレンジすることも
決して悪くないと考えます。
転職で有利になる材料の1つに
なるかもしれませんし
技能手当が貰える会社も
あるようです。
当方では、技能検定の対策向では
ありませんが、
電気系機械保全の教材があります。
興味があれば
以下をクリックしてご確認ください。