このページでは
FXシーケンサのプログラムを
保持するバッテリーについて
書いています。
使用する機種が
バッテリーレスかバッテリーで
保持されているか、
バッテリーが切れると
何が起こるのかを知っていないと
大変なトラブルが発生しかねません。
また
三菱電機のPLCである
FXシーケンサに内蔵された
特殊補助リレーの1つである
バッテリー電圧が低下したことを
検知し作動する特殊補助リレーに
ついても紹介します。
目次(クリックすると自動で飛びます)
1.メモリ形式とプログラムの保持について
2.バッテリー低下とプログラム破壊
3.プログラム破壊時の対作
4.M8005,M8006 バッテリー電圧低下の検知
5.バッテリーの交換
6.まとめ
1.メモリ形式とプログラムの保持について
シーケンサは
機械を自動制御するための
プログラムが保存されています。
このプログラムはメモリという
箇所で保存されています。
シーケンサには
EEPROMメモリとRAMメモリ
が内蔵された機種があります。
RAMメモリの機種は
シーケンサに接続された
バッテリーで中のプログラムを
保持しています。
EEPROMメモリは
バッテリーレスの機種で
バッテリーはありません。
2.バッテリー低下とプログラム破損
RAMメモリ機種では
バッテリー内にチャージされている
電源がある程度まで低下すると
プログラムを保持できなくなり
プログラムは消去(破損)します。
何の警告もなく、すぐにプログラムが
破損するのではなく
下写真のBATTのランプが
点灯します。
点灯しているのに、そのまま放置し
しばらく使うと、今度は
下写真のERRORのランプが点灯します。
この状態になると
シーケンサを動作させることが
できなくなります。
シーケンサに保存している
プログラムも読みだすことも
できません。
3.プログラム破損時の対処
バッテリー低下により
プログラムが破損された場合の
復旧は、バッテリーを新品に交換し
再度 プログラムを書きこむことです。
プログラムを他でバックアップしていれば
復旧は簡単ですが、バックアップが
ない場合 再度 プログラムを
作成する必要がでてきます。
そうなると大変です。
そうならないために
シーケンサでは本体ランプで
警告するだけではなく
バッテリー低下をした際に
作動する特殊補助リレーが
内蔵されています。
この特殊補助リレーを
上手に使い、このような悲劇を
防ぎましょう
4.M8005,M8006 バッテリー電圧低下の検知
M8005とM8006の
特殊補助リレーは
バッテリーの電圧が
設定値以下に低下した時に
作動します。
違いは、M8006はラッチだと
いうところです。
この特殊補助リレーを上手に
使い、バッテリー電圧低下に伴う
プログラムの破壊を防ぐことが
できます。
簡単なラダー図例を書きます。
例えば、Y001の出力リレーの
先に赤ランプを接続し、制御盤や
操作盤の取付けます。
そのランプに銘板で
「バッテリー交換必要」を
付けておけば異変に気が付くことが
できます。
ランプではなくブザーでも
いいですね。
ブザーならうるさくて
対応せざるおえなくなりますので。
バッテリーのことを知らない
人でも気が付き、何かしらの
対処はすると思います。
5.バッテリーの交換
バッテリー電圧低下のアラームが
出たら、速やかにバッテリーを
交換する必要があります。
アラームが出てどれぐらいで
プログラムの破壊するかは分かりませんが
即日というものではありません
(保証できませんが1週間程度は持つかと思います)
メーカーはバッテリーの寿命目安を
約5年としています。
写真はFX3Uのバッテリー部です。
バッテリーにはコネクタが付いて
いますので、それをシーケンサの
コネクタ部に差し込みます。
この際、シーケンサの電源は切って
行います。
メーカーのマニュアルには
旧バッテリーのコネクタを外して
20秒以内に新バッテリーを
接続するよう書いています。
20秒を超えると本当にダメなのか
試したことはありませんが
スムーズに作業ができるよう
イメージトレーニングはした方が
いいかもしれないですね。
(私はしています)
作業自体は難しいものでは
ありません。
6.まとめ
RAMメモリの機種で必要な
バッテリーに関することを
書いてきました。
プログラムをつくる仕事なら
M8005,M8006を使って
バッテリー電圧低下の対策を
機械の電気保全をする仕事なら
何が起きても対処できるように
プログラムのバックアップは
しておくことですね。
当方ではこのページにも関連する
初心者向のシーケンス制御の教材も
扱っていますので
興味があれば
以下の画像をクリックして
ご確認ください。
●リレーシーケンス教材に
ついては以下の画像をクリック
●シーケンサ教材に
ついては以下の画像をクリック